皆既月食ライブ配信

 2021.5.26は皆既月食(スーパームーン)でした。コロナ禍のために、各地の天文台や科学館では、YouTubeを使ったライブ配信が行われました。バンドー神戸青少年科学館でも、当日19:30~20:30にかけて、ライブ配信が行われました。

 幸いなことに、私はスタッフの皆様と共に、ライブ配信に携わることができました。特にライブ配信機器担当の方は、ゴールデンウィークの頃から、綿密に準備を重ねられたそうです。当日はあいにくの曇り空でしたが、努力の成果で素敵なライブ配信になりました。スタッフの皆様に、敬服の念を強く抱きました。

 2021.5.23のリハーサルの合間に、クック望遠鏡にキャノンS95+セレストロンズーム8-24mmを付けて撮影した、虹の入江と雨の海周辺です。当日は、薄曇りの天候でした。

 同じ箇所をZWO ASI224MC+0.5×レデューサー+IR/UVカットフィルターを付けて撮影しました。色調がかなり赤っぽくなっています。梅雨時で、実際の月もかなり黄色かったです。

 危機の海、プロクルス、静かの海周辺です。

 2021.5.26は、月の出に合わせて、クック望遠鏡をほぼ水平にした状態でスタンバイしました。普段見ることのできない、クック望遠鏡の各所をご紹介します。

 赤緯ウォームホイールのタンジェントスクリュー微動装置が見えています。下の屈折望遠鏡は、口径88mmの案内望遠鏡です。

 クック社の銘が彫られています。

 目盛環調整用のつまみと思われます。

 目盛環の数字が見えています。

 かつてはここに、ブラッシャー重錘式運転装置がありました。今は、モータードライブ装置ボックスが取り付けられています。モーターによる稼働は、赤経のみ(微動も)です。

 鉄板を丸め、リベットで接合し、鏡筒を作製したことがよく分かります。タイタニック号もそうですが、20世紀初頭は、鉄板の接合はリベット止めが主流でした。

 巨大な赤経ウォームホイールです。右下に見えるのが、クックトリプレット10cm星野カメラです。

(参考文献)

月の地形観察ガイド,白尾元理,誠文堂新光社,2018

中村鏡とクック25cm望遠鏡

2016年3月、1943年製の15cm反射望遠鏡を購入しました。ミラーの裏面には、「Kaname Nakamura maker」のサインがありました。この日が、日本の反射鏡研磨の名人との出会いの日となりました。GFRP反射鏡筒として現代に蘇った夭折の天才の姿を、天体写真等でご紹介します。また、同時代に生きたキラ星のような天文家達を、同時期に製造されたクック25cm望遠鏡の話題と共にお送りします。

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