天体写真絵ハガキ(2)

 知新観象台の清水真一氏からの最初の通信です。日付は1933年(昭和8)5月です。

 「拝啓 過日は笹部君より御照状仕り有り候 けだし貴君の御精励は 天界誌上にて承りあり 数◯次致し居り候 小生同好会へは以前より入会致し度しとせん所は 望遠鏡も所有せず 今春 3インチを4インチに変え 且つツインカメラとなりし候 ポツポツ星野写真でもと装置に不備の点もあり なかなか思うように至らず候 4インチは短焦点F11位に仕度く 太陽観察も昨秋より花山へ取り敢えず送りしも 4インチの据付遅れ 且つ 先輩諸兄の観測を参考致す可し」(新聞切り抜きの下に書かれた文面)


 この写真は、「日本アマチュア天文史」の表紙にもなっています。

 清水氏が全国から写真の配布を希望されたのは、1933年(昭和8)12月20日の土星および金星の掩蔽写真が「天文月報」の表紙になってからです。

(参考文献)

季刊星の手帖'79夏,清水勝,河出書房新社,1979.8.1

中村鏡とクック25cm望遠鏡

2016年3月、1943年製の15cm反射望遠鏡を購入しました。ミラーの裏面には、「Kaname Nakamura maker」のサインがありました。この日が、日本の反射鏡研磨の名人との出会いの日となりました。GFRP反射鏡筒として現代に蘇った夭折の天才の姿を、天体写真等でご紹介します。また、同時代に生きたキラ星のような天文家達を、同時期に製造されたクック25cm望遠鏡の話題と共にお送りします。

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