月齢12.8と寒波

 2021.12.17、強い寒波が日本列島を襲いました。そのような中、恒例の星空ウォッチングが開かれました。

 上は科学館の玄関前でコンデジで撮影した、満月2日前の月です。悪シーイングの影響が、コンデジ画像にも感じられます。(満月近い月面に主な地名を入れてみました。DMDとは暗い降下堆積物=降り積もった溶岩のしぶきです。こんなことまで写るとは、コンデジ恐るべしですね。)

 これからお目にかけるのは、18:00過ぎにクック25cm屈折望遠鏡で撮影した、月齢12.8の月の欠け際です。強風がドームのスリットを通り抜け、うなりをあげている中での撮影となりました。好シーイングの画像とは比較になりませんが、像の揺らぎを感じながらご覧ください。

 湿りの海付近です。クック25cm屈折望遠鏡(焦点距離3750mm)直焦点、ZWO 183MC(センサーサイズ1インチ)で撮影するとこれぐらいの範囲が写ります。

 右角の白い線は、ティコの光条です。中央左の大きなクレーター(上半分が黒い)は、シッカルト。

 大きな光条を伴ったティコクレーターです。悪シーイングのため、光条が生きもののようにうねっていました。

 右上の光条を伴ったクレーターはケプラーです。

 中央は雨の海、中央やや左が虹の入江、中央右斜め上がプラトー(底が黒いクレーター)です。

 当たり前ですが、クック望遠鏡でも悪シーイングには勝てませんでした。

(参考文献)

月の地形観察ガイド,白尾元理,誠文堂新光社,2018

中村鏡とクック25cm望遠鏡

2016年3月、1943年製の15cm反射望遠鏡を購入しました。ミラーの裏面には、「Kaname Nakamura maker」のサインがありました。この日が、日本の反射鏡研磨の名人との出会いの日となりました。GFRP反射鏡筒として現代に蘇った夭折の天才の姿を、天体写真等でご紹介します。また、同時代に生きたキラ星のような天文家達を、同時期に製造されたクック25cm望遠鏡の話題と共にお送りします。

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