科学少年(5)

趣味の天体研究号

 1928年(昭和3)8月に、伊達英太郎氏(当時16歳)が発行した「科学少年」第五号(趣味の天体研究号)です。

 8月号の目次は、

1.「天体研究号について」

2.「便利な天文学 途にまよった時!!」 

3.「オ日様のホクロ 太陽黒点の正体」

4.「太陽黒点と戦争!」

5.「太陽の命は何年か?」

6.「流星及彗星」

 (1)流星

 (2)隕石

 (3)彗星

7.「宇宙の出来た迄」

8.「星座とは何か」

9.「美わしき星のローマンス」

10.「他の世界の月」

11.「我国の望遠鏡」

12.「長篇科学小説 天空征服(第五回)12.水星界」

13.「少年天文 八月の星空」

14.「僅か三円で聞ける ラヂオのおすすめ」

15.「特別大懸賞」

16.「八月のへんしう室」

の内容で、全34ページです。

 なお、今回は印刷の質が悪く、消えかけた文字の多いページがあります。95年前の冊子ですので、その点をふまえご理解ください。

1.「天体研究号について」

2.「便利な天文学 途にまよった時!!」

3.「オ日様のホクロ 太陽黒点の正体」

4.「太陽黒点と戦争!」

5.「太陽の命は何年か?」

6.「流星及彗星」

 (1)流星

 (2)隕石

 (3)彗星

7.「宇宙の出来た迄」(*迠が使われていますが、うまく表示されない場合があるため、迄と記入しました。)

8.「星座とは何か」

9.「美わしき星のローマンス」

10.「他の世界の月」

11.「我国の望遠鏡」

12.「長篇科学小説 天空征服(第五回)12.水星界」

13.「少年天文 八月の星空」

14.「僅か三円で聞ける ラヂオのおすすめ」

15.「特別大懸賞」

16.「八月のへんしう室」

*裏表紙

 「八月のへんしう室」にもありますが、6,7月号を飛ばしての8月号となりました。夏休み時期ということで、今号は「趣味の天体研究号」となったのだと思います。

 全体的に字が荒くなっています。星座図も簡略化されています。34ページを全て自分一人で作り上げるということは、伊達氏にとって、相当な負担になっていたように推察されます。

 5.「太陽の命は何年か?」は、太陽や地球の年齢?について、現在と大きく異なっているのが興味深いです。また、7.「宇宙の出来た迄」では、宇宙の出来方について、1928年当時の学説が紹介されています。ビッグバンという言葉が世の中に出てくるのは1950年以降です。地球が銀河系の中心付近に存在するというのは、現代では誤りであることが分かっています。

 いずれにせよ、これだけの量と内容を一人で作り上げた伊達英太郎氏の努力と才能に、驚きと敬意を表します。

(参考文献)

宇宙論の年表,Wikipedia,2023.7.12閲覧

 

中村鏡とクック25cm望遠鏡

2016年3月、1943年製の15cm反射望遠鏡を購入しました。ミラーの裏面には、「Kaname Nakamura maker」のサインがありました。この日が、日本の反射鏡研磨の名人との出会いの日となりました。GFRP反射鏡筒として現代に蘇った夭折の天才の姿を、天体写真等でご紹介します。また、同時代に生きたキラ星のような天文家達を、同時期に製造されたクック25cm望遠鏡の話題と共にお送りします。

2コメント

  • 1000 / 1000

  • double_cluster

    2023.07.13 08:19

    コメントをありがとうございます。今回は印刷が悪く、私も読むのに骨が折れました。伊達氏の中には、天文の基礎知識を広めようとする、熱い思いが強くあったことが分かりますね。当時、このような個人雑誌を発行することが流行っていたのかもしれません。それを裏付ける?文章を見付けました。また、うっかり、最も古い「科学少年」をファイルの違う場所に保管しているのに気付きました。次回は、それをご紹介します。
  • manami.sh

    2023.07.12 22:56

    全く、伊達氏の熱意はすごいですし、興味の範囲が広いですねぇ。 太陽についての関心は、また別格だったようにも思えます。 「科学少年」を時間をかけて、じっくり読んでみたいと思います。 「科学少年」の印刷部数が、どのくらいだったのかも気になります。 その読者の方々が、どういう方達だったのか。大阪周辺の在住者、全国にもいたのか。文通で知り合ったのか。背景についても興味が尽きません。