知新(ちしん)観象台3

 知新(ちしん)観象台1でもお伝えしましたように、清水真一氏はダニエル彗星の再発見で有名です。感度が低い写真乾板で彗星を撮影するのはとても難しかったと思われますが、清水氏はメトカーフ法(彗星核の動きに合わせてガイド撮影をすること)を用いて、素晴らしい彗星写真を残しています。

 清水氏の高い技術(撮影・現像・焼き付け)があったので、12.5等の暗いダニエル彗星が再発見されたのだと思われます。

 1枚目の写真は、下保彗星とペルチャー彗星。2枚目は、パラスケボポゥロス彗星。3枚目は、WHIPPLE-FEDTKE彗星。

 4枚目の写真は、L.C.ペルチャー氏の「星の来る夜」(L.C.ペルチャー、鈴木圭子訳、地人書館)の表紙です。L.C.ペルチャー氏は、生涯に12個の彗星、6個の新星、10万個を越える変光星の観測記録を残している「世界で最も偉大なアマチュア天文家」(天文学者シャプレイ談)です。素晴らしい本で、読み返す度に感動を新たにします。ちなみに、表紙の絵や、各章の扉の絵も、L.C.ペルチャー氏の作です。

(写真は、いずれも伊達英太郎氏天文写真帖より)

参考文献:星の来る夜,L.C.ペルチャー・鈴木圭子訳,地人書館

中村鏡とクック25cm望遠鏡

2016年3月、1943年製の15cm反射望遠鏡を購入しました。ミラーの裏面には、「Kaname Nakamura maker」のサインがありました。この日が、日本の反射鏡研磨の名人との出会いの日となりました。GFRP反射鏡筒として現代に蘇った夭折の天才の姿を、天体写真等でご紹介します。また、同時代に生きたキラ星のような天文家達を、同時期に製造されたクック25cm望遠鏡の話題と共にお送りします。

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