清水真一氏のハガキ(16)

1935年1月19日 皆既月食

 「前略 月食写真御恵送 難有御礼申上候 当方は天候はよろしく候ひ(へ)しも 可也(かなり)の烈風にて像の動揺に悩まされ候 パンクロ使用候も 露出のテストも出来す(ず) 滅茶滅茶にて漸(ようや)く此程度に候 日食より遥かに撮影困難に存候 食分も露出やプリントの干(関)係にて 可也相異も ドーセ曖昧写真に過きす(ぎず)と存居候」

 「月食撮影並に観望中 昭和10年1月19日夜 知新観象台」

(資料は伊達英太郎氏天文写真帖より)

*崩し字の解読は、柴田哲男様(三木古文書研究会)にしていただきました。

中村鏡とクック25cm望遠鏡

2016年3月、1943年製の15cm反射望遠鏡を購入しました。ミラーの裏面には、「Kaname Nakamura maker」のサインがありました。この日が、日本の反射鏡研磨の名人との出会いの日となりました。GFRP反射鏡筒として現代に蘇った夭折の天才の姿を、天体写真等でご紹介します。また、同時代に生きたキラ星のような天文家達を、同時期に製造されたクック25cm望遠鏡の話題と共にお送りします。

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