「あーなってる」

 昨日(2019年2月16日)の星空ウォッチングには、80名ほどの方々が参加されました。あいにくの天候でしたが、天頂付近の月(月齢11.2)は、雲間や雲を通してなんとか見ることができました。シーイングは、冬型の気圧配置の影響でよくなかったです。

 月の全景は、クック望遠鏡にペンタックスK-60接眼鏡(62.5倍)を付けて見ていただくのですが、今回はASP30mm接眼鏡を使い、125倍で拡大した月の欠けぎわをご覧いただきました。

 参加者には親子連れの方々が多いですが、今回のタイトルの言葉は4,5歳の女の子の不思議な言葉です。思わずご両親や私は「何が?」とその女の子に尋ねてみましたが、「あーなってる」のみ。ひょっとしたら、雲が影響して、いつもとは違った月の光景がその子の眼前に広がっていたのかもしれません。

 雲はなかなか洒落た演出をしてくれることもあります。ある女性がアイピースに目を近づけ、「すごいところを見ました」とのこと。ちょうど雲から月が出る瞬間を目撃されたようでした。「月の夜明けを見ました」と、とても感激して話してくださいました。

 また別の年配の女性は、見られた瞬間に「うわー」と声をあげられ、「こんな凄いものを見せていただいて、ありがとうございます。」と何度も何度も頭を下げてくださいました。

 昨日は、いつもよりシンチレーション(星のまたたき)がよくなかったです。しかし、ふと気流が落ち着いた瞬間に見せてくれる月の光景は、クック望遠鏡の優秀さを十分に感じさせてくれるものでした。

(1枚目:中央左は湿りの海、湿りの海の北側のクレーターはガッセンディ。右側に見える縦の線のような物は、ティコクレーターから伸びる光条。2枚目:中央左の縁が白く輝いているクレーターはアリスタルコス。この付近は、アリスタルコス台地と言われています。3枚目:右下の大きなクレーターはプラトー。その上の魚のような形の海は氷の海。いずれも、セレストロン8-24mmズーム接眼鏡とキャノンパワーショットS95によるコリメート撮像(オート)。参照:「月の地形観察ガイド」白尾元理著、誠文堂新光社)

中村鏡とクック25cm望遠鏡

2016年3月、1943年製の15cm反射望遠鏡を購入しました。ミラーの裏面には、「Kaname Nakamura maker」のサインがありました。この日が、日本の反射鏡研磨の名人との出会いの日となりました。GFRP反射鏡筒として現代に蘇った夭折の天才の姿を、天体写真等でご紹介します。また、同時代に生きたキラ星のような天文家達を、同時期に製造されたクック25cm望遠鏡の話題と共にお送りします。

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