2019.01.26 05:09ギガオプトASP30mm 今回ご紹介するのは、ギガオプトで販売されていた接眼レンズです。ギガオプトは、中古望遠鏡を中心に販売している「怪しい・・・」が売りの天文ショップでした。 ASP30mmの主なスペックは、焦点距離30mm、3群5枚構成(1面光学ガラス非球面)、見掛視界54.8度(31.7mmアダプターを使用すると50~54.8度)、アイポイント27mm、重量約280gです。 ASP30mmは、10年以上前に15cm25倍双眼鏡用として開発されましたが、コストがかかりすぎるという理由で日の目を見なかった接眼鏡です。100本限定としてギガオプトから天体望遠鏡用アイピースとして販売されていました。(2021.7、残念ながらギガオプトは閉店してしまいました。) 先日、中村要鏡に...
2019.01.20 05:22「望遠鏡が月をつかまえてる!」 2019年1月19日、星空ウォッチングが開催され、寒い中100名近くの方々が来館されました。月齢は13.1、クック望遠鏡で覗くと目も眩む明るさだったため、NDフィルターを使用して減光しました。 月や惑星(特に土星や木星)は、来館者に人気の観望天体です。ペンタックスK60mmで約60倍。お客さんが月をのぞいた瞬間、色々な声が出てきました。「うわー」「きれい」は一般的ですが、小さな子供たちの声は面白いです。以前土星を見た男の子が「絵や!」と言ったのをご紹介しましたが、昨日秀逸だったのが「望遠鏡が月をつかまえてる!」。これは5~6歳の男の子の声。お母さんも感心した様子でした。思わず私もお母さんも「うーん」とうなってしまいました。 昨日は天気が崩れる前だった...
2019.01.06 12:02伊達英太郎氏(1) 伊達英太郎氏(1912-1953)は、大阪出身のアマチュア天文家です。大阪心斎橋の老舗「てんぐ履物舗」のご当主でした。伊達氏のアマチュア天文家としての活動分野は、とても広く多彩でした。 太陽観測では、11.5cm反射56倍、8cm無銀反射70倍で1927年1月から1938年10月まで、約12年間の観測(太陽黒点)をしています。写真観測も並行して行い、プロミネンス分光器による観測はアマチュアとして最初の人でした。 1枚目は、若き日の伊達英太郎氏と愛機11cm反射赤道儀。2,3枚目は、乾板による太陽写真です。(参考文献)日本アマチュア天文史,日本アマチュア天文史編纂会,恒星社厚生閣,1987(写真は、伊達英太郎氏天文写真帖より)
2019.01.06 07:59乾板(かんぱん)写真 伊達英太郎氏(東亜天文協会遊星面課)のもとには、多数の遊星(惑星)面スケッチが送付されてきていました。その中には、手札判(8cm×10.5cm)の写真乾板(かんぱん)もあります。写真乾板は、いずれも木辺慈麿氏と奥様の村子氏が、1941年(昭和16)10月に撮影されたものです。 写真乾板は1890年代から天文学に用いられ始めました。1995年までには、米・コダック社が研究用の大型ガラス乾板の製造を中止しています。天文学と乾板は、とても長い付き合いとなったわけです。 1枚目の写真は、イーストマン・コダック社の乾板(イーストマン40、12×16.5cm)1ダースの上蓋です。 2枚目から7枚目までは、木辺慈麿氏と奥様の村子氏が撮影された手札乾板です。(ただし...