月・惑星のCMOS撮像 (6)

15cm反射(中村要鏡)での火星撮像
  2020.11.23に、15cm反射望遠鏡を使って火星撮像に挑みました。中村要鏡はF9.4ですから、テレビューパワーメイト5×を付けるとF47になります。以前のデジカメを使ったお手軽撮像では、木星や火星は露光オーバーになってしまい、私の技術ではお手上げでした。その点CMOS撮像ですと、パソコンでGAINとシャッタースピードを調整すると、簡単に最適な惑星像が得られます。F47ですので、CMOSカメラで火星を捉えるのには苦労しました。ビクセンのフリップミラー等があれば便利なんだとは思いますが、低倍率の接眼レンズで視野中心に火星を導入すれば事足ります。
  当日は寒気が入ってきて、シーイングがあまり良くありませんでした。ただ、クック望遠鏡で撮像した時よりは良かったようです。4回撮像したものの中で、一番ピント位置が良かったものを、画像処理しました。ステライメージ8.0jで1000枚撮像した上位30%をスタックし、その後調整しました。明らかに、クック望遠鏡で撮像した画像(いろいろ条件が違いますが)よりも細部の地形が見えています。中村要鏡の優秀さを示していると思います。     
   CMOS撮像をして改めて、揺れ動く火星像を見つめ続け、丹念にスケッチを描いた先人達の偉大さに、こうべが垂れる思いがしました。(2020.11.9に発生したダストストームが、写真上半分[火星の南側]に見えるモヤの原因かもしれません。)

中村鏡とクック25cm望遠鏡

2016年3月、1943年製の15cm反射望遠鏡を購入しました。ミラーの裏面には、「Kaname Nakamura maker」のサインがありました。この日が、日本の反射鏡研磨の名人との出会いの日となりました。GFRP反射鏡筒として現代に蘇った夭折の天才の姿を、天体写真等でご紹介します。また、同時代に生きたキラ星のような天文家達を、同時期に製造されたクック25cm望遠鏡の話題と共にお送りします。

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