天体写真絵ハガキ(1)

 上の写真は、1934年(昭和9)9月28日、知新観象台での観測風景です。

 左は清水真一氏(1889-1986)、右は射場保昭氏(1894-1957)清水氏の手書きの文章から土星観測中だと分かります。

 戦前の天体写真の雄、西の射場氏と東の清水氏が対峙している様は、緊張感すら漂います。

 射場氏の観測は1928年から1945年までの17年間。清水氏の天体写真撮影は1932年から1945年までの13年間。お二人が交錯した奇跡の瞬間です。

 清水氏と親交が深かった伊達英太郎氏の許には、清水氏から送られた天文絵ハガキが多数残されています。

(参考文献)

日本アマチュア天文史,日本アマチュア天文史編纂会,恒星社厚生閣,1987

(資料は伊達英太郎氏天文写真帖より)

中村鏡とクック25cm望遠鏡

2016年3月、1943年製の15cm反射望遠鏡を購入しました。ミラーの裏面には、「Kaname Nakamura maker」のサインがありました。この日が、日本の反射鏡研磨の名人との出会いの日となりました。GFRP反射鏡筒として現代に蘇った夭折の天才の姿を、天体写真等でご紹介します。また、同時代に生きたキラ星のような天文家達を、同時期に製造されたクック25cm望遠鏡の話題と共にお送りします。

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