2021.08.06 09:081941年(昭和16)の火星スケッチ(9) いよいよ今回で、1941年(昭和16)の火星スケッチは終わりとなります。 4名の方の火星スケッチを順にご紹介します。 初めは、竹内潤氏です。
2021.08.05 01:441941年(昭和16)の火星スケッチ(8) 今回は、中野繁氏(1918-2011)の火星スケッチをお送りします。 東星会の中心メンバーだった中野氏は、1943年(昭和18)9月、軍医として出征しました。主要メンバーが次々と抜ける中、東星会は事実上活動を休止し、会報「東星」は、1943年(昭和18)9月に、7,8合併号をもって終刊しました。 4~6枚目のスケッチは、服部博氏の20cm反射望遠鏡を使って描かれました。 下の写真は、1942年(昭和17)年頃の中野繁氏です。
2021.08.04 06:571941年(昭和16)の火星スケッチ(7) 今回は、冨田弘一郎氏(1925~2006)の火星スケッチをご紹介します。 冨田氏はプロの天文学者として、1947~1985年まで、東京天文台天体捜索部で天体観測に従事しました。 主な観測対象は、小惑星や彗星です。多数の短周期彗星の検出に成功したことが業績として挙げられます。アマチュア天文家の育成にも尽力しました。 1942年(昭和17)3月に創立した東星会には、創立時から参加しました。中野繁氏も東星会の創立メンバーの一人です。 東星会の創立者で、冨田弘一郎氏の天体観測の師であった内藤一男氏は、1943年(昭和18)4月に司政官として南方へ従軍中、乗船していた輸送船が撃沈され、マニラ沖で戦死しています。
2021.08.02 23:591941年(昭和16)の火星スケッチ(6) 今回は、前田静雄氏(1914-1952)の火星スケッチをご紹介します。 前田氏は、1936年(昭和11)に、木辺氏の個人秘書をしました。また、1940年(昭和15)には、木辺氏の代役として小糸製作所で反射鏡研磨も行いました。 このスケッチは、前田氏自作の鏡面に、508倍という高倍率をかけて得られたものです。
2021.08.02 02:041941年(昭和16)の火星スケッチ(5) 今回ご紹介する頼武揚氏は、前回ご紹介した蔡章献氏と共に、台北公会堂の10cm屈折赤道儀を使用して火星スケッチをしました。7.5cm反射も公会堂のものでしょうか。
2021.08.01 09:121941年(昭和16)の火星スケッチ(4) 今回は、蔡章献氏(1923~2009)の火星スケッチをご紹介します。蔡氏は後年、円山天文台長として活躍された、著名な台湾の天文学者です。 蔡氏は中学卒業後、日本統治下の台北公会堂「天体観測同好会」に就職しました。 1941年の火星大接近の時は、台北公会堂職員として、台北公会堂天文台の10cm屈折赤道儀を使い観測をしました。その時蔡氏は、18歳でした。
2021.07.31 08:421941年(昭和16)の火星スケッチ(3) 今回は観測者名がありません。観測機材は15.5cm反射、25cm反射です。可能性として木辺氏?前田氏?伊達氏?(伊達氏は15cmは所有していなかったような)。筆跡からは樋上氏に似ているような?この時、樋上氏は東京におられたようですから、どなたかの機材を使われた可能性もあります。No.22、No.24は、「天界」に載っているかもしれません。(manami.sh様から、このスケッチは青木章氏のものであると教えていただきました。25cm反射は、同じ大阪在住の渡辺恒夫氏のものを使われたようです。manami.sh様、ありがとうございました。)
2021.07.28 06:211941年(昭和16)の火星スケッチ(2) 1941年(昭和16)の火星スケッチ2回目では、千葉県銚子市の歯科医師、瀧田正俊氏の火星スケッチをご紹介します。 瀧田氏のプロフィールや機材の写真が、伊達氏の天文写真帖に多数残されています。瀧田氏が写真撮影に長けており、伊達氏の要請に応じて写真を多数送付されたのだと思われます。
2021.07.25 02:361941年(昭和16)の火星スケッチ(1) 1941年(昭和16)は太平洋戦争開戦の年であり、観測陣にとって、火星観測をするには困難な時代だったと思います。 1941年の火星は、1939年より距離が遠くなったとはいえ、位置はくじら座とうお座の境界付近で、地平高度は1939年と比べてはるかに高く、シーイングなどの観測条件ははるかに勝っていました。(最接近は10月3日、衝は10月10日、最接近の時の距離は 6140万Km、視直径は22.8秒。) 観測陣には、戦地から帰還した渡辺恒夫氏や前田静雄氏が加わり、かつての四天王がそろうことになりました。 今回は、綿貫博通氏の火星スケッチです。(なお、カラースケッチは10月24日のみ。)