2019.08.31 06:55顕微鏡用接眼レンズ(1)(Nikon CFW10×) 望遠鏡と同じ光学機器である顕微鏡については、学校での知識しか私は持ち合わせていませんでした。最近、顕微鏡用接眼レンズをリメイク(取り付け寸法の調整)して、望遠鏡用接眼レンズとして販売されているのをヤフオクで見かけるようになりました。商品説明を読んでいる内に、顕微鏡の世界の驚異的な進歩を知るようになりました。 また、日本顕微鏡工業会の「顕微鏡の歴史」や「顕微鏡の基礎」を読む内に、私は愕然とした思いになりました。天体望遠鏡を取り巻く現状と、比較してしまったからです。 顕微鏡は、産業・研究・医療などの各先端分野と密接につながり、進歩・発展してきました。明治以来、日本はドイツのツァイスやライカの顕微鏡を手本にして、血の滲むような研究・開発を行ってきました。そ...
2019.08.24 06:59RAYNOXテレフォトレンズ 以前、星座望遠鏡を紹介しました。ですが、今の私にとってより使いやすいのがこれです。 ハードオフで、ジャンクとしてたった300円で販売されていたRAYNOX製のテレフォトレンズです。重さは49gしかありません。レンズの直径は40mm、見口部分24mm、厚みは23mm、倍率は1.5倍です。レンズフレームはプラスティック製です。持ちやすいように、レンズ横に穴を開けて金具を付けました。レンズの曲率を考えずにドリルを使ったため、1枚目写真(金具の左)のように、レンズに傷を付けてしまいました。「あー」と思って覗きましたが、見えには全く支障がありませんでした。星空を見たら、とても快適でした。軽いので、首から下げても全く苦になりません。 昔のデジカメ用のテレコンバー...
2019.08.19 01:23月齢16.0 夏場の湿度が高くどんよりした天候は、好シーイングに恵まれることが多いです。2019年8月17日は、正にそうでした。15cm反射(中村鏡)250倍で見た土星は、今まで見た中でも最高の部類の見え味でした。3枚目の写真は、15枚の写真をLynkeosを使ってスタックしたものです。まだまだ画像が荒く、本物とは比べられませんが、雰囲気は味わっていただけると思います。 月は高度が低く赤っぽい色調でしたが、好シーイングにより、細かい地形まで撮像できています。満月過ぎの月でしたが、欠けぎわ以外の地形も面白いと感じました。(15cm反射、セレストロン8-24mmアイピース、キャノンパワーショットS95コリメート撮像)
2019.08.17 01:35現代天文学史 ~天体物理学の源流と開拓者たち~ 20世紀初頭、日本のアマチュア天文家がどうしてあれほど真剣に天文に打ち込んだのか。私は、そのことをいつも疑問に感じていました。その疑問に、明確な回答を示してくれたのがこの本です。 著者の小暮智一氏(こぐれともかず)は、1926年群馬県桐生市生まれ。1950年京都大学理学部卒業(宇宙物理学専攻)。高校教諭を経て、京都大学助手(理学部宇宙物理学教室)、茨城大学理学部教授(宇宙物理学担当)、京都大学理学部教授(銀河物理学担当)を歴任。退官後、岡山県美星町立美星天文台長に就いておられました。 本書は、4部から構成されています。第1部 天体分光学、第2部 恒星内部構造論と星の進化論、第3部 天空の探索と銀河系、宇宙の構造、第4部 「現代天文学」(日本における天...
2019.08.15 09:12SVBONY23mm接眼レンズ ヤフオクで、よく見えるのに使い捨てできるぐらいの価格の接眼レンズとして話題になっていたのが、この接眼レンズです。中国のSVBONY(エスブイボニー)という会社の製品です。アマゾンだと、送料込み1590円で販売されています。個体による当たり外れは大きいようですが、焦点距離23mmは、好評なコメントが多いです。(他に4mmと10mmがあります。) 私は、ヤフオクで、検査済みとして販売されていた23mm接眼レンズを3800円(送料別、見口ゴム交換済み)で購入しました。 構造は、ケーニッヒ式(逆ケルナー式、リバースド・ケルナー式)。これは、1849年にドイツの光学技術者カール・ケルナーが、顕微鏡用に開発したケルナー式(2群3枚構成、前側が1枚、後ろ側が貼り合...
2019.08.08 12:35宝石みたいやね! 2019年8月6日、台風8号の影響もありましたが、無事星空ウォッチングが開催されました。夏休み中ということもあり、150名の申し込みがあったそうです。 観望開始予定時刻は19:30。しかし、プラネタリウムの解説が長引き、実際の開始は19:50分ぐらいになりました。前回の反省(月の高度が低くなるとクック望遠鏡の接眼部が高くなり、覗く位置が高くなり危険)を生かして、観望対象を月から木星に最初から変えることにしました。 ドームを回転させ、木星を探しましたが見つかりません。雲が南東の空を覆っていました。そこで、ベガは・・・・。やはり、天頂付近はクック望遠鏡を動かすのは無理がありそうです。最終的に観望対象としたのは、アルタイルでした。 今回はファインダーのズレ...
2019.08.06 06:06ダイニックアストロパーク天究館(2) ダイニックアストロパーク天究館には、木辺成麿氏(きべしげまろ、本名:宣慈[せんじ]、1912-1990、真宗木辺派錦織寺21代門主・光学技術者・反射鏡研磨の名人)が、自分用に作製した31cm反射赤道儀が保存されています。 木辺氏は、1933年(昭和8)頃、26cmF9反射鏡(No.67)を自分用に研磨しました。その後、31cm反射赤道儀の機械部分(主・斜鏡なし)の製作を、西村製作所に依頼しています。機械部分の費用が当時の価格で630円でした。現在の貨幣価値に換算すると、126万〜157万5千円ぐらいになります。機械部分の完成は、1934年(昭和9)4月。当初は主鏡セルに中枠をはめて、26cm反射赤道儀として使用していました。翌1935年(昭和10)に...
2019.08.05 02:03ダイニックアストロパーク天究館(1) 2019年8月3日、滋賀県犬上郡多賀町にある、ダイニックアストロパーク天究館を訪ねました。この施設は、株式会社ダイニックの社会貢献事業として、1987年に設立された民間初の公開型天文施設です。天究館創設者は、株式会社ダイニック元会長の坂部三次郎氏(1923-2001)です。坂部氏は、自身が変光星観測者であり、かつては天文学者を志したほどの天文愛好家でした。その坂部氏が、ジャワ日食(1983年6月11日)で天文熱が再燃し、若き日の夢を実現させたのがこの天究館です。 坂部氏が施設のモデルとして選んだのが、白河天体観測所。「白河天体観測所」(藤井旭著、誠文堂新光社)に、その時の様子が記載されています。建物の感じや、屋上に並ぶ小型望遠鏡のコンクリート基部が、...
2019.08.01 04:53スーパーマウント 夏になり、仕事を終えて帰ると、ぐったりしてしまいます。そんな時、月や惑星を見るのには、相当なヨイショが必要になります。「ああ、軽量の経緯台で、赤道儀並みの強度があるもの、設置ポンですぐに撤収できる物ってないかなー。」 それが、ありました。スーパーマウントです。以前、このサイトhttp://binotechno.com/blog/category/架台/で見た架台です。韓国の盧(の)さんが製作されたので、ノースマウントと呼ばれています。韓国の天文アマチュアの間では、有名な方だそうです。国内ではアイベルが販売しています。まさに、私の望みを果たしてくれそうな架台です。 「スーパーマウントは超小型ながら抜群の強度を誇るフリーストップ経緯台です。そして驚くべき...